ニュースの天才
米国の大統領専用機に唯一置いてある政治雑誌「ニュー・リパブリック」スティーブン・グラスはその雑誌の人気ライター。
彼は他社から執筆依頼が来るほどの人気記者で、同僚たちからの信頼も厚かった。
ある日彼の「ハッカー天国」という記事が掲載される。
それを読んだ他の出版社の記者は、その記事について関連記事を書きたいという名目で調査を始める。
しかし調査を進めても記事内の企業が見つからない、登場人物が見つからない
さらに不審な点は多く・・・
この話は実在したスター記者、スティーブン・グラスを題材にした映画。
彼はニュー・リパブリックに掲載した41の記事のうち27もの記事を捏造していた。
捏造の事実が発覚した後もちろん彼は解雇される。
そして2003年、彼は処女作「でっち上げ屋 the Fabulist」を発表する。
これは、「注目を浴びるために捏造した記事を書く、野心家のジャーナリストを主人公にした物語」だそうだ。
なぜ人々は騙され続けたのか
彼は最初、記事を面白くするために少しだけ嘘の情報を盛り込んで記事を書いた。それを繰り返すうちに、人々は面白い記事を書くスティーブンを信用していく。
そして書かれた記事が嘘ばかりの捏造されたものであっても
「スティーブンがまた面白い記事を書いている」
と信用してしまう。
フィクションの記事であるため、苦情も来ない。
出版社には記事のデータを調べるチェック係が存在したが
彼はその経験があったため、同僚のチェックをかいくぐるのも容易だった。
取材ノートやボイスメール、偽のウェブサイトまで作成し
嘘を隠すために嘘の情報を作り上げた。
DVDには彼のインタビューが収められている
感想
スーティーブン・グラスって人はちょっと怖いと思った
劇中では気配りのできる好青年として描かれたいたし、愚痴も言わず
相手が悪くても自分に非があるように話す。
一言で言えば「凄くいい人」なのである。
きれい過ぎる。
そんな人が記事を捏造していたなんて誰が考えただろうか。
だからこそ、怖い。
自分の印象としては、彼は悪いことをしている自覚がないように見えた。
彼はインタビューで反省していると話していたが、そんな風には見えなかった。
なんていうか凄く申し訳なさそうに話していたが、目はそうではなかった。
心をこめているつもりでも、こもっていない
まるでインタビューを受けている人間が架空の人物であるかのように
目的のためなら、手段を選ばない人間
例えばデスノートの夜神月。
スティーブンも人を喜ばせるのに手段は選ばなかった。
しかし夜神月との決定的な違いはその性格にあると思う。
夜神月は
「計算通り!(`ー´)<ニヤリ」
って感じの黒い微笑みをする黒い子でしたが
スティーブンにはその黒さがない。悪意を持っていない。
もしかしたら心の中は真っ黒なのかもしれないが、
そんな仕草は見せない。(劇中でもそのような描写はなかった)
それなのに、記事を捏造したり、自分を題材にした本を出版したしている。
怖いというか、気持ち悪い。不気味。
黒い不気味じゃない。白い不気味。
本人曰く、「反響が大きく病みつきになった」そうだ
名声というのは人を変えてしまうのか
最後に
うーん。
自分が持つこの気持ち悪さを上手く文章で表現することができない。
この感情を共有したいという方は是非映画をご覧ください。
まぁ自分と同じ気持ちになるとは限りませんが;
「悪いことをしたらそれ相応の報いがある」
っていうのが映画の教訓でよくある話かもしれないが
この映画にはそれがない。
そういったところも気持ち悪さの正体のひとつかもしれない。
そんで、この話ってきっと、スティーブン・グラスに限ったことじゃないよね。
マスコミの話は全て真実ってわけでもないし、
間違った情報だからって謝ることもないし、
情報が溢れかえってる時代だから、受け取る側がどれを選択するかが大事になってくる。
この映画、何回かみればまた別の感想が生まれてきそう。
スティーブン・グラス
気持ち悪いけど興味深い人間だと思った。
僕から以上


